自然・動物

ガラパゴス諸島で進化を続けるウミイグアナが大量死の危機!原因はエルニーニョ現象。

ガラパゴス諸島には、わたしたちが見たこともないような生物がたくさん生息しており、ウミイグアナもその一種です。

ウミイグアナは独自の進化を遂げて、生き残ったとても貴重な生物。

しかし現在、その希少なウミイグアナの数が減少しているうえに、大量死の危機にさらされているといいます。

ここでは、ウミイグアナの生態・ウミイグアナ大量死の原因といわれるエルニーニョ現象について調べてみます。

ガラパゴス諸島に生息しているウミイグアナとは?

ガラパゴス諸島は、南アメリカ大陸のエクアドルが所有している島々で、赤道付近に位置しています。

地図でみると近くに見えますが、実は南米大陸からは900kmも離れていて、全部で123もの島からなっているそうです。

ガラパゴス諸島は島から分断されたのではなく、度重なる火山活動によって、できあがった島です。

そこに徐々に生物がすみ始め、ガラパゴス諸島は生物の宝庫といわれるほど、さまざまな生物が生息しています。

今回紹介するウミイグアナも、そのひとつの生物で、ガラパゴス諸島でしか見られません。

ウミイグアナの生態について

ガラパゴス諸島には2種類(正確には3種類?)のイグアナが生息しており、海で生活するウミイグアナと、陸で生息するリクイグアナがいます。

そのままのネーミングですね。笑

もともとはリクイグアナしかいませんでしたが、エサを求めて海に進出した結果、ウミで生活しやすいように進化したという説があるようです。

そこから何百万年かけて、数を増やしながら、進化を続けてきた歴史があるのです。

ウミイグアナの基本情報

  • 種類:有鱗目・イグアナ科・ウミイグアナ属の爬虫類
  • 全長:全長120 ~150cm
  • 主食:海藻
  • 寿命:60年

見た目はゴジラのようで、怖そうな印象をうけますが実は温厚で、主食は海藻です。

リクイグアナと比較したときの特徴は、波にながされないよう爪が発達していることと、体温を保ちやすくするため体の色が暗い灰色である点です。

ハイブリッドイグアナもいる?

ガラパゴス諸島のイグアナは、正確には3種類?といったのは、リクイグアナとウミイグアナの混血種がいるからです。

その名もハイブリッドイグアナ

なんだかイグアナに限って、名前の付け方、雑じゃないですか?笑 まぁ、わかりやすくていいのですが。

ハイブリッドイグアナは、ウミイグアナのような鋭い爪と、リクイグアナのように顎が強いのが特徴です。

しかし、このハイブリッドイグアナは偶然に生まれた品種なので、染色体が不完全であり、繁殖機能がないそうです。

そのため、いずれは絶滅してしまう種だといわれています。

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ウミイグアナ大量死の危機が迫っている

そんなウミイグアナですが、年々生息数が減っているうえに、近々大量死の可能性があると心配されています。

これはいったい、どういうことなのでしょうか。

過去にウミイグアナが大量死した過去

1997年と98年にかけて、ガラパゴス諸島の生物たちが、大量に死滅した過去がありました。

これはウミイグアナだけでなく、サンゴ礁やペンギンなど、ガラパゴス諸島にとって破滅的な被害があったようです。

このガラパゴスに衝撃を与える被害は、【エルニーニョ現象】とよばれる自然現象が原因だといわれています。

エルニーニョ現象ってなに?

エルニーニョ現象とは、数年に一度赤道方面から暖かい海水が流れ込み、海面水温が平年より高い状態が1年程度続く現象です。

ちなみに、エルニーニョとは、スペイン語で男の子を意味する言葉です。

海面温度があがることで、ウミイグアナの主食である海藻が育たないためといわれています。

もう少し詳しく解説すると、ウミイグアナが食べる緑の海藻がなくなってしまい、消化できない種類の海藻を食べてしまうことによる栄養失調が原因なのです。

ウミイグアナのお腹の中からは、消化できなかった海藻がたくさんでてきたといいます。

本人は満腹なのに、栄養失調で死んでしまうなんて、かわいそうすぎますよね…[wp-svg-icons icon=”confused” wrap=”i”]

またエルニーニョ現象がもたらす被害は、ウミイグアナに限ったことではありません。

エルニーニョ現象によって気温が高くなると、植物が二酸化炭素を十分に吸収できなくなり、地球の温暖化にもつながるため、日本でも暖冬になります。

エルニーニョ現象は、貿易風が関係しているのですが、まだなぜこういった現象がおこるのかは解明されていません。

2018年秋以降エルニーニョ現象が起こる可能性あり!

出典:気象庁エルニーニョ監視速報

そしてエルニーニョ現象が2018年の秋以降に発生する可能性があると気象庁が発表しているのです。

地球温暖化に加え、エルニーニョ現象の相乗効果で、ガラパゴス諸島の生物が大打撃を受けるのではないかと懸念されますよね。

まとめ

今年は世界各地で異常気象がおこっており、地球上の生物の生態系が乱れることも懸念されています。

とくに過去に大量死の過去があるウミイグアナに関しては、心配の声があがっているようですね。

エルニーニョ現象の原因はさだかではありませんが、温暖化によって主食の海藻がなくなってしまうことは確かなようなので、人間のエゴでほかの生物が犠牲になってしまうのは避けたいところです。